眠りについたこの街が、30年以上の時を経て今甦る。

書店員応援コメント

●第七回

勝間 準(かつま・じゅん)
MARUZEN&ジュンク堂書店

男の中の男

第七回酒はほとんど飲めないし、タバコは全く吸わないし、喧嘩もめちゃくちゃ弱い私が衝撃的な物語に出会った。それは北方謙三さんの「ブラディ・ドール」シリーズだ。

主人公の川中は酒、タバコ、女、そして血と暴力、私がもっとも苦手な世界に身をおく人物だ。そして川中自身も怖い人だし、私にとって彼の生き方は理解しがたい。

だがしかし、シリーズを読み進めていくとこの主人公が非常に格好よいし、とにかく渋い、渋すぎることに気づく。彼の所作から読み取れる渋さや格好よさはどうやったら身につくのか。

また川中という男から私が感じ取れたことは、彼自身の中にある譲れない「何か」をずっと変わらず持ち続け失わないことであり、それが私には格好よく思える。

これから先、私はおそらく酒もタバコもたしなむようになることはないだろうし、ましてや彼のような渋い男にもなれないだろう。だからこそ、余計に川中という男に強く惹かれ憧れてしまうのだろうか。

「男の中の男」、彼には本当にこの言葉が似合う。

最後にもう一言二言。

私自身はこのシリーズの結末をまだ知らない。彼とその周りの人物達の物語はどのような最後を迎えるのか、それを考えるだけで私の胸は熱くなる。

でも、これだけは言える。彼は最後まできっと最高に格好よくしびれる男なのだろう、と。

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