卒業ゼミに素粒子物理学研究室を選択した留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題。なにしろ穂瑞ときたら、精子バンクを利用して生まれた天才児で、建設中の巨大加速器「むげん」の発案者でありながら、その天才さゆえに大学側も持て余し気味という問題児なのだから。案の定、僕を鼻であしらう穂瑞だったが、一人の老聴講生・橋詰さんの発した究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、なんとそれを討論テーマとしてゼミに現れたのだ! 僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが……。「宇宙の作り方」という壮大なテーマを、みずみずしく軽やかに描き切った大型SF!
- SF・ホラー・ファンタジー
- 四六判上製
- 312P
- 47584-1003-8