神戸の繁華街で、風俗営業専門の行政書士事務所を営む私は、またひとつ金にならない依頼を引き受けてしまった。震災で家を失った老人の遺言作成。だがそれは、ほんの序の口だった。旧友・左近からの意外な相談は、さらに厄介なものだった。左近は、昔の恋人が自分の子供を産んでいたかもしれないと言い出した。私は、職業柄、その恋人の戸籍を辿るように薦めたが、内心穏やかではなかった。そう、左近の妻は、かつて私が愛した女性だったからだ。そして、この事件は始まった−。気鋭・浅黄斑が描く、書き下ろしハードボイルド・ミステリー。
- 冒険・アクション・ハードボイルド
- 新書判
- 256P
- 489456-263-4