菜々は都内の私立高校に通う16歳。ニューヨーク生まれの帰国子女。母の曜子は作家で、シングルマザー。バツイチの編集者・滝田と同居している。菜々はイジメにあい、パーティチケットの代金を払うためにブルセラでパンティを売らされる。だが、イジメに加わったクラスメートも、それぞれに問題を抱えている。中年男とつきあい、覚醒剤の中毒になりかけている桃子。レイプされ、ビデオを撮られ、脅迫される絵梨。中学時代の同級生雅也は奈々のストーキングをくりかえすが、やがて家に引きこもり、母親に暴力を振るうようになる。「酒鬼薔薇聖斗」が逮捕された6月28日の夜、菜々は決意する。このままでは自分がだめになる。自分が生まれた街にもう一度自分の足で立ち、そこからもう一度すべてを始めよう。一方滝田の娘、10歳のしおりは母親の再婚に悩み、「砂丘で殺されそうになる夢」をくりかえし見る。その夢の謎をとくため、滝田はしおりとともに車を飛ばして鳥取砂丘へ向かうが……。