主人公の水元弘は19歳のトラック運転手。会社に隠れてアルバイトで貯めた金を愛車に注ぎ込み、週末の夜、山道をぶっ飛ばすのが唯一の生き甲斐だった。ある日、ポルシェに乗った中年が近づいた。男が誘った場所は『鈴鹿サーキット』。長い髪の女・麗子が駆けるF3マシンの鮮やかな姿を目の当たりにした弘は、街道レーサーで意気がっていた自分に強烈な嫌悪を抱く。異母兄弟の英二との壮絶なバトル、超高速カーブ130Rでの大クラッシュを経てとうとう迎えた全日本F3選手権シリーズ開幕戦。果たして弘は優勝できるのか…。身体ひとつで生まれ、未来を切り拓こうと身体中から雄叫びをあげ、身体ひとつで風に挑む男を描く、青春ハードボイルド長篇!