一千番目の石像と化した王女、韃靼人の文字が密かに描き込まれた聖画、最前景に異形の物体が浮遊する肖像画、“死の塔”の最初の受難者…など、七世紀のタクラマカン砂漠から二十世紀のカンボジアまでの時空間に、寺院・礼拝堂・回廊・草庵の建築・絵画縁起を基軸にして、地名への偏執と死への親和性によって編みあげられた、摩訶不思議な、十五の夢幻の物語。
一千番目の石像と化した王女、韃靼人の文字が密かに描き込まれた聖画、最前景に異形の物体が浮遊する肖像画、“死の塔”の最初の受難者…など、七世紀のタクラマカン砂漠から二十世紀のカンボジアまでの時空間に、寺院・礼拝堂・回廊・草庵の建築・絵画縁起を基軸にして、地名への偏執と死への親和性によって編みあげられた、摩訶不思議な、十五の夢幻の物語。