《ここ十年来、私にとってのほとんど唯一の関心事は徳の次元における平衡感覚ということであり、その種の感覚が伝統のうちに保蔵されていると思えばこそ、伝統を保守すべく、私は保守主義者を名のることにした。》(著者)−−世紀末の虚無的世相との闘いの中で、三島由紀夫の二元性(政治と文学、知と行)を直視し、保守思想の大いなる源流であるG・K・チェスタトンの言説に思いを馳せつつ、ニヒリズムを超えて生きるための真性の知を模索する本格的評論。
《ここ十年来、私にとってのほとんど唯一の関心事は徳の次元における平衡感覚ということであり、その種の感覚が伝統のうちに保蔵されていると思えばこそ、伝統を保守すべく、私は保守主義者を名のることにした。》(著者)−−世紀末の虚無的世相との闘いの中で、三島由紀夫の二元性(政治と文学、知と行)を直視し、保守思想の大いなる源流であるG・K・チェスタトンの言説に思いを馳せつつ、ニヒリズムを超えて生きるための真性の知を模索する本格的評論。