「家を棄てる決心はつきましたか。ついたのなら今度の日曜日、朝の十時、東京駅で待っています」。ある日、吉川家に届いた一通の手紙。宛名に書かれているのは名字だけで、差出人の名前もない。いったい家の誰に届いたものなのか? 家族の間に静かに広がる波紋――。嘘や諍い、時にはもつれながら、やがて結ばれていく家族の絆……。二十四篇の物語が紡ぎ出すある家庭の肖像。
「家を棄てる決心はつきましたか。ついたのなら今度の日曜日、朝の十時、東京駅で待っています」。ある日、吉川家に届いた一通の手紙。宛名に書かれているのは名字だけで、差出人の名前もない。いったい家の誰に届いたものなのか? 家族の間に静かに広がる波紋――。嘘や諍い、時にはもつれながら、やがて結ばれていく家族の絆……。二十四篇の物語が紡ぎ出すある家庭の肖像。