広告代理店の営業マン・小山邦明は、通いなれた道の途中で、見たこともない古い木造家屋が立ち並ぶ商店街に迷い込んだ。気の赴くままに一軒の骨董屋に立ち寄った彼は、そこで一枚の古い写真に吸い寄せられる。セピア色をした写真には、冷たい眼差しで、あかく炎えるような唇に微笑を湛えた若い女の姿が……。その日から、小山は、脳裏をさまよう幻の女の姿に取り憑かれて−。(『幻の女』)<逆宇宙>の干渉を受けた者たちが、前衛心理学者・比良坂天彦を訪れる、連作オカルト・ホラー。
- SF・ホラー・ファンタジー
- 文庫判
- 272P
- 489456-573-0