楠木葉子は10月1日に胸を刃物で刺されて死亡したらしい。が、1年後、山手線で別の女性の身体を借りて、1日だけこの世に戻ってきた。葉子は恋人のことを気にかけながらも、母と妹が住む自宅へと向かうが、そこで待っていたものは悲しく切ない現実であった。が、翌年も翌々年も……命日の日に他の女性の身体を借りてこの世に戻ってきた。葉子は身体を借りている女性たちの人生を背負いながらも、“たった1日”を懸命に生きるが、とうとう彼女が消滅してしまう日がやって来る。 人は“死”に直面した時に初めて「人生において一番大切なこと」がわかるのかもしれない……。 女性心理の描写に大変定評のある著者が描く、書き下ろしサスペンス長篇。
- 推理・ミステリー・サスペンス
- 四六判並製
- 248P
- 47584-1072-0