十四年前、直参旗本の草笛家を出奔した和馬は、剣のみを頼りに流浪の旅を続け、 幕府を影で支える武闘集団・千車党に拾われた。幕府を脅かす御用盗が跋扈する 時世、和馬は御用金の護衛の任を受けることになる。だが、御用金の前に姿を現 したのは、和馬が知る千車の男たちと、彼らを仇と追う女剣士・景だった。仲間 の裏切りなのか? 襲いかかる敵をを倒し、景を救った和馬は、千車党からも狙 われる身にーー。景との邂逅と和馬の父の死の報せにより、明らかになる巨大な 陰謀。和馬は真の敵を討つことが出来るのか? 書き下ろし時代長篇。 (解説・細谷正充)