破滅の石畳は唐突にあった。 足を踏み入れた瞬間、ひやっ、とした。しかしすぐに、なんだこんなもの。ただの道じゃ ないか。そう、自分に言い聞かせてずかずか路地に入っていった。 それから十年、特に破滅することもなく、アホーな文章を書いてその日を暮らしている。 そして、いま思うのは、もしかしたら自分はあれからずっと、長い長い、破滅の石畳を歩 いているのではないか、ということ。そしてその石畳はこれからもずっと続くのではない かということ。――<あとがきより> 『正直じゃいけん』に続く、町田康、待望のエッセイ集!
- エッセイ・対談・座談
- 四六判並製
- 256P
- 978-4-75841112-7