〈どうしてだろう。/うれしいんだのに。/どうして。なんか。かなしいんだろ。/へんだな。/そういえばあたしもかなしい。/うれしいからなんだよ。/そうかしら。/そうだよ。きっと。〉(「おたまじゃくしたち四五匹」より)。個という存在の確かさや愛おしさを、おおらかな息づかいでうたいつづけた草野心平。本書では、蛙の詩人としても知られる著者の代表作「ごびらっふの独白」をはじめ、“易しくて、優しい”言葉で綴られた一〇六篇を精選。文庫オリジナル版。(巻末エッセイ・重松清)
〈どうしてだろう。/うれしいんだのに。/どうして。なんか。かなしいんだろ。/へんだな。/そういえばあたしもかなしい。/うれしいからなんだよ。/そうかしら。/そうだよ。きっと。〉(「おたまじゃくしたち四五匹」より)。個という存在の確かさや愛おしさを、おおらかな息づかいでうたいつづけた草野心平。本書では、蛙の詩人としても知られる著者の代表作「ごびらっふの独白」をはじめ、“易しくて、優しい”言葉で綴られた一〇六篇を精選。文庫オリジナル版。(巻末エッセイ・重松清)