いつの時代も生きて行くのは切ねェものよ――「福助」の息子の良助が、早朝、両親の弘蔵とおあきに、最後の挨拶にやって来た。良助は武士にあこがれ、彰義隊の一員になっていたが、上野の山の戦に参加するためだった。そして、いよいよ本所にも大砲の音が聞こえてくる。おあきたちは、懸命に無事を祈るのだが・・・・・・。幕末・江戸の見世を舞台に、健気に生きる人びとの、人情と人生の機微を描き切った、著者献身の傑作時代長篇。(解説・児玉清)
いつの時代も生きて行くのは切ねェものよ――「福助」の息子の良助が、早朝、両親の弘蔵とおあきに、最後の挨拶にやって来た。良助は武士にあこがれ、彰義隊の一員になっていたが、上野の山の戦に参加するためだった。そして、いよいよ本所にも大砲の音が聞こえてくる。おあきたちは、懸命に無事を祈るのだが・・・・・・。幕末・江戸の見世を舞台に、健気に生きる人びとの、人情と人生の機微を描き切った、著者献身の傑作時代長篇。(解説・児玉清)