北町奉行所の月番最後の日、善光寺坂で町人の斬殺体が発見された。その数日後、南町の月番となった日に、今度は境町で、またもや町人の他殺体が発見される。両御番所の調べにより、二人の町人は、浅草の大店『万屋』の手代であることが判明。南北の月替わりを狙った犯行に、元吟味方与力、通称・八丁堀の隠居と呼ばれる小林藤太郎が指揮に乗り出す。南町の同心・相場虎之介らは、それぞれの手代が戸田、松平の大名屋敷に出入りしていたことを突き止めるが・・・・・・。暗躍する大名公用人と刺客たち。事件の背後に隠された真相とは!? 書き下ろし時代長篇。