長野県の少年野球大会決勝戦、旧戸隠村チームのエース健太は完全試合達成寸前だった。だが、捕手駿介のミスで大記録を逃し、激しく仲間をなじった。健太の態度に怒ったコーチの寺尾は、投手に渡されるべきウイニングボールを遠くへ投げ捨て、父の繁は観衆の前で息子を平手打ちにした。その出来事で、健太の心は激しく歪み、両親を憎んだ。十数年後――恋愛小説家として人家絶頂の健太に警察から連絡が入った。元恋人の沙織が冬の北アルプスで、あのウイニングボールを持って凍死したのだ!
- 推理・ミステリー・サスペンス
- 文庫判
- 280P
- 978-4-75843521-5