「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」――それはまさしく一大センセーションだった。恋をすることさえ罪だった時代に、女性の官能をおおらかに謳いあげ、青春の情熱をみずみずしくほとばしらせた衝撃の歌集『みだれ髪』。そして、巴里へと旅立った夫を想う世紀の“エンキョリレンアイ”を、円熟の筆で歌った『夏より秋へ』(抄)。二つの恋の歌集に、「君死にたまふことなかれ」「山の動く日」の詩二篇を併録。(エッセイ・小手鞠るい)
「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」――それはまさしく一大センセーションだった。恋をすることさえ罪だった時代に、女性の官能をおおらかに謳いあげ、青春の情熱をみずみずしくほとばしらせた衝撃の歌集『みだれ髪』。そして、巴里へと旅立った夫を想う世紀の“エンキョリレンアイ”を、円熟の筆で歌った『夏より秋へ』(抄)。二つの恋の歌集に、「君死にたまふことなかれ」「山の動く日」の詩二篇を併録。(エッセイ・小手鞠るい)