天保6年11月15日、背中に濃い産毛をもった一貫もある元気な男の子が誕生した。後に天下を動かすことになる坂本龍馬である。両親と姉の乙女、親せきで、大きな財力をもつ才谷屋の庇護を受け、すくすく育つ龍馬。11歳になった龍馬は、母・幸に室戸岬行きを命じられた。クジラと命を賭して闘う鯨組の丹五郎に世話になることになった龍馬。道中、マムシに襲われそうになったところを、3人連れの男の子たちに助けられた。そのうちのひとりは、将来盟友となる中岡慎太郎であった・・・・・・。龍馬の誕生から母の死まで、著者でしか描けない土佐の風物と血湧き肉躍るストーリー。新たなる“小説坂本龍馬”ここにスタート。