捜査官の目と耳と記憶と勘で街中に潜んでいる犯人を見つける、見当たり捜査。街の雑踏に潜み、瞬時に人の顔を見分け、容疑者を特定し確保する見当たり捜査班に配属された七倉愛子は、頭の中に何百もの顔写真を記憶している。彼女は商社マンと結婚し、退職後は夫の海外赴任先で専業主婦として過ごしながら、趣味で語学を習得していた。その後、離婚し一人になった彼女は、語学力と生まれつきの絶対音感、そして記憶力を生かし、警視庁の特別捜査官枠に応募し、採用された。ある日、オーダーした靴の引き取りに来ていた彼女は、お店のガラス越しに一人の男を見つける。窃盗容疑で指名手配中の藤森信行。逃走を続ける犯人は、時に整形をくり返す。冷静に顔を分析し、初の単独逮捕に踏み切った愛子だったが、実は犯人の双子の弟であった・・・・・・。
- 推理・ミステリー・サスペンス
- 四六判並製
- 224P
- 978-4-75841180-6