15歳の晴海は、旅先のニューヨークで母親が突然姿を消し、とまどっていた。「高校へ行かない」と言い張る自分に対する、怒りの表明なのか? しかし晴海の胸のなかには、両親に口が裂けても言えない〈秘密〉があった。高校に行きたくない理由となる、ある〈秘密〉が・・・・・・。一方、母親の可南子にも、決して小さくない〈秘密〉があった。フィギュアスケーターとして活躍していた自らの10代にまでさかのぼる、ある〈秘密〉が。胸の奥底に、棘のようにずっと刺さったままの過去と向き合うために、彼女は、娘を置いてペルーへ向かう――。少女のモノローグとペルーで綴られた日記とで織りなされた、迷っている人の背中をそっと押すような、前向き度100パーセントの母と娘の物語。