共に病に冒されている「私」と婚約者・節子。彼女に付き添ってやってきた、美しい自然に囲まれた高原のサナトリウムで、ふたりの「少し風変わりな愛の生活」が始まる。死の影におびえながらも、残された時間を支えあいながら生きる幸福。そして、ふたりだけが知っている生の愉しさ――。作者自身の体験をもとに書かれ、〈風立ちぬ、いざ生きめやも〉の一節が印象に残る不朽の名作は、いまも私たちに、生きることと死ぬことの意味を静かに問うてくる。(エッセイ・宮下奈都)
共に病に冒されている「私」と婚約者・節子。彼女に付き添ってやってきた、美しい自然に囲まれた高原のサナトリウムで、ふたりの「少し風変わりな愛の生活」が始まる。死の影におびえながらも、残された時間を支えあいながら生きる幸福。そして、ふたりだけが知っている生の愉しさ――。作者自身の体験をもとに書かれ、〈風立ちぬ、いざ生きめやも〉の一節が印象に残る不朽の名作は、いまも私たちに、生きることと死ぬことの意味を静かに問うてくる。(エッセイ・宮下奈都)