針問屋を営む鯨屋喜多蔵が、毒蛇に噛まれて死亡した。金子の入った巾着を盗まれ、すぐに見つけ出したものの、中には毒蛇が入っていたというのだ。同心の野火陣内は、不自然な状況から、偶然ではなく、殺しの匂いを嗅ぎ取る。数日後、今度は繰綿問屋の平八が、短筒で殺される事件が起きた。殺しに使われた珍しい唐物の短筒を手掛かりに、探索を始めた陣内は、やがて唐物商の美女に辿り着くが――。美女の正体は何者なのか？　型破りな同心・陣内が、真の悪を裁く、傑作時代長篇。

ジャンル

時代・歴史小説

サイズ

文庫判

ページ

312P

ISBN

978-4-75843688-5