幼い頃、自分の非から、妖かしに弟を拐かされた黒川夏野は、女だてらに妖かしと戦う剣の腕を磨いていた。そして弟の生存を信じて東都への一人旅の途中、ひょんなことから封印されていた妖かしの目を取り込んでしまう。一方、幼児誘拐が頻発する東都に、奇妙な二人組みが現れる。一人は飛燕の国で一番の剣の腕を謳われながら、金貸しの取り立て役で糊口をしのいでいる鷺沢恭一郎。もう一人は片言の言葉しか話せない奇妙な男の子・蒼太。弟の行方を探していた夏野が、妖かしに追われ続けるこの二人と出会ったことで、物語が動き出す。第四回角川春樹小説賞受賞者が描く、和風ファンタジーの傑作!
- SF・ホラー・ファンタジー
- 四六判並製
- 400P
- 978-4-75841204-9