街の片隅のラーメン屋『龍庵』に、出前持ちとして雇われた「おいちゃん」。禿頭と立派な白いヒゲをたくわえ、片言の日本語を話す彼の正体は……(「梅雨時雨」)。ススキノの娼婦・美代子は、大学生の龍彦から想いを寄せられ、心揺れていた。そんななか、娼婦仲間の君代の店で目にした男の姿が気になって……(「逢いに来た男」)。他、全六篇を収録。札幌の街を舞台にした、不思議な酩酊感をもたらす短篇集。(単行本『死ねば いなくなる』を改題)(解説・香山二三郎)
- 冒険・アクション・ハードボイルド
- 文庫判
- 304P
- 978-4-75843732-5