始皇帝以来つづく武門の名家に生を享けた李広の初陣は、義勇兵として参戦した、北方の遊牧騎馬民族・匈奴との戦いであった。この戦で強弓を披露し、勇名をとどろかせる李広。以後、彼の人生は常に戦闘の中にあった。前漢の文帝、景帝、武帝三代の下で、たびたび匈奴と千戈を交え、武人として栄達を遂げていく。だが、武帝が皇后の縁戚で匈奴の習性を熟知する衛青を将軍に任命した頃より、李広の栄光に影が差し始める――。端正かつ綿密な筆致が哀切を呼ぶ、珠玉の中国歴史小説。(解説・清原康正)
始皇帝以来つづく武門の名家に生を享けた李広の初陣は、義勇兵として参戦した、北方の遊牧騎馬民族・匈奴との戦いであった。この戦で強弓を披露し、勇名をとどろかせる李広。以後、彼の人生は常に戦闘の中にあった。前漢の文帝、景帝、武帝三代の下で、たびたび匈奴と千戈を交え、武人として栄達を遂げていく。だが、武帝が皇后の縁戚で匈奴の習性を熟知する衛青を将軍に任命した頃より、李広の栄光に影が差し始める――。端正かつ綿密な筆致が哀切を呼ぶ、珠玉の中国歴史小説。(解説・清原康正)