浅草で医療所を開く元御殿医の中星天元が、人気のない寺の門前を通りかかると、大振袖の娘が無頼奴に襲われていた。間に入るその前に、浪人が出てきて打ち据え、娘を助けた。だが暮れ六つも過ぎた時間に娘がひとりでなぜ? 翌日、天元が薬問屋に行くと、病に罹った一人娘を診て欲しいといわれる。昨夜の娘ではないものの、天元は何らかの繋がりを嗅ぎつける。一方、早桶屋の竜次に、急ぎで棺桶を作って欲しいと依頼がある。聞くと薬問屋が押し込みに遭って三人も殺されたという――。天元たちの「世直し組」が、大店乗っ取りを企む悪人成敗に乗り出す大好評シリーズ第四弾!