夏至を過ぎ、サッポロ・シティ・ジャズで賑わい始めた札幌。市内で起きた貴金属商の強盗事件を追っていた機動捜査隊の津久井卓は、仕事帰りに立ち寄ったジャズバー「ブラックバード」にてシティ・ジャズに出演予定のピアニスト・安西奈津美と出会う。彼女は、人気アルトサックス・プレーヤーの四方田純から声がかかり、四方田純カルテットとして出演を控えていた。ジャズの話をしながら急速に深まる津久井と奈津美の仲。しかし、奈津美には消したくても消せない過去があった……。一方で、サッポロ・シティ・ジャズに覚せい剤の売人が現れるという情報が。さらに、中島公園近くの池で死体が見つかる。捜査を進めていくうちに奈津美に対する疑惑が深まっていく。警察官として誓いを立てた自分と、一人の女性を愛する男としての自分。激しく葛藤する中で、津久井は佐伯たちに助けを求め裏捜査が始まるのだが――。
- 推理・ミステリー・サスペンス
- 四六判上製
- 336P
- 978-4-75841234-6