僧侶の人数合わせのため、豊山藩江戸家老の葬式に駆り出された朴念は、遺体に薄気味悪い斑点が出ていたのを目撃する。同じ頃かつての上司である板橋練馬がら江戸家老の死因を探るよう依頼された天元は、その背後に『蘭学差遺医療館』という医師団を率いる奥田玄斎という傑物がいるのを知る。貧しい庶民への治療の金持ちからの利益を充て、新医術を操る玄斎に天元も魅了される――。しかし村沢藩の食中りを治療した玄斎たちの手際に疑問を抱くうちに、医術を使った恐るべき陰謀が明らかになってくる。果たして世直し組は、彼らの野望を止められるのか?