オキュパイド・ジャパン――GHQ占領時代。それは絶大な権力を持つ米兵たちや「サードナショナルズ」のヤクザ組織、ソ蓮からの工作員や旧軍のテロリストらの暗躍が、日本を食らいつくそうとする暗躍の時代だった。そんな中、元陸軍中野学校のスパイ・藤江忠吾と、香港憲兵隊で「泥蜂」の名を持つスパイハンター・永倉一馬の二人は、緒方機関、通称〈CAT〉と呼ばれる秘密機関にスカウトされる。焼け跡となった廃墟の中、復興のために奮闘する日本人たちのため、一度は敗北した男たちの新たなる闘いが始まろうとしていた。その闘いの先に見える光とは?数々のベストセラーを創りだした深町秋生が贈る、新たなるスパイ冒険小説!