元陸軍中尉・志村一心が間諜となって六年。一八九一年、日清戦争で日本が新たに領有した遼東半島の旅順港が、ロシアの手に渡り、アジア侵略の大要塞となっていた。いずれ日本の安全さえも脅かされることになると危惧した日本政府は、旅順要塞の全貌を探り出してほしいと一心に命じる。そして日本が密かに同盟を結ぶべく交渉中のイギリスへ、その情報を運ぶ任務も課すのだった。ロシアの秘密警察「オフラーナ」によって張り巡らされた数々の罠。一心は、失態を犯し間諜としての役目を解かれる窮地に。汚名返上なるか?!
- 冒険・アクション・ハードボイルド
- 文庫判
- 208P
- 978-4-75843942-8