志賀倫成は、大手出版社『週刊春潮』の副編集長で、その売上は会社の大柱だった。志賀は、スキャンダル記事こそが他の部門も支えているという自負を持ち、充実した編集者生活を送っていた。だが大学生の息子・健輔が、ストーカー殺人を犯した上で自殺したという疑いがかかったことで、幸福だった生活は崩れ去る。スキャンダルを追う立場から追われる立場に転落、社の問題雑誌である『春潮48』へと左遷。取材対象のみならず同僚からも罵倒される日々に精神をすりつぶしていく。一人残された被害者の娘・奈々美から襲われ、妻も家出してしまった。だが、奈々美と触れ合ううちに、新たな光が見え始めるのだが……。
- 推理・ミステリー・サスペンス
- 四六判並製
- 288P
- 978-4-75841347-3