明治38年8月30日。『時事新報』の号外で、それまでの戦勝の喜びが消え去り、世間に失望と怒りが広がっていった。 警視庁第一部第一課・葦名警部と四人の巡査たちは、赤坂榎坂にある桂首相の妾宅の警備を担当。九月五日、「講和問題国民大会」が日比谷公園で開かれ、日比谷焼打事件が勃発。暴動が広がるなか、伯爵の孫で探偵の西小路が妾宅で死体を発見。葦名警部たちは「騒擾による死亡」として片付けようとする赤坂署に疑問を持ち、西小路や元新選組三番隊組長・斎藤一改め、藤田五郎とともに捜査を始める――。
- 推理・ミステリー・サスペンス
- 四六判上製
- 352P
- 978-4-75841363-3