「近所を散歩したとき、私はついに、窓のある書店を見つけたのだ。店内には一匹の猫がいる」──二十五年前、二十八歳のわたしは、まさか、自分が書店の店主になるとは想像だにしなかったはずだ。言葉と深く向かい合い、読み、書き、ともに生きる。作家・柳美里の血と肉になってきた書物とその心の遍歴──極上のエッセイ本に、「古都鎌倉、あるいは生と死の交錯する場所」「カトリックの洗礼式」「谷崎潤一郎」「阿佐田哲也」など五〇ぺージの新たなエッセイを加え、装いも美しく登場。(解説・川本三郎)
- エッセイ・対談・座談
- 文庫判
- 272P
- 978-4-75844431-6