吉川元春に拾われ、騎馬遊撃隊を率いるようになった少年・小六。 尼子再興を願う猛将・山中幸盛(鹿之助)。 それぞれが異なる強さを求め、あがき、抗う――。 毛利対尼子、熾烈なる最後の戦い。 第13回角川春樹小説賞受賞作続篇、誕生。 《物語は疾風迅雷、風のように駆けてゆく。 その中で絶妙なのが、両者を相対的に捉え、それぞれの正義を描いている点であろう。二人共に感情移入が出来るから、読者は引き裂かれそうになりつつも、ページを繰る手を止められなくなるのだ。 読者は作者の術中にはまり、逃れる事は出来ない。あとは一気読みだ。 そしてラスト――。書きたいがこれ以上は書けない。 稲田幸久の第二作は、決して読者の期待を裏切ることはない。》――文芸評論家・縄田一男。