江戸鎌倉河岸を舞台にした傑作捕物帳 鎌倉河岸捕物控シリーズ /角川春樹事務所 時代小説文庫
▼佐伯泰英 鎌倉河岸捕物控シリーズ 既刊本一覧

- 【新装版】橘花の仇 鎌倉河岸捕物控<一の巻>
- 江戸鎌倉河岸にある酒問屋の看板娘・しほ。ある日、武州浪人であり唯一の肉親である父が斬殺されるという事件が起きる。相手の御家人は特にお咎めなしとなった上、事件の原因となった橘の鉢を売り物に商売を始めると聞いたしほは、無念の思いを募らせるのだった・・・・・・。しほを慕う政次、亮吉、彦四郎や、金座裏の岡っ引き宗五郎親分との人情味あふれる交流を通じて、江戸の町に繰り広げられる事件の数々を描く連作時代長篇。(解説・細谷正充)

- 【新装版】政次、奔る 鎌倉河岸捕物控<二の巻>
- 江戸松坂屋の隠居松六は、手代政次を従えた年始回りの帰途、剣客に襲われる。襲撃時、松六が漏らした「あの日から十四年・・・・・・亡霊が未だ現われる」という言葉に、かつて幕閣を揺るがせた若年寄田沼意知暗殺事件の影を見た金座裏の宗五郎親分は、現在と過去を結ぶ謎の解明に乗り出した。一方、負傷した松六への責任を感じた政次も、ひとり行動を開始するのだが――。鎌倉河岸を舞台とした事件の数々を通じて描く、好評シリーズ第二弾。(解説・長谷部史親)

- 【新装版】御金座破り 鎌倉河岸捕物控<三の巻>
- 戸田川の渡しで金座の手代・助蔵の斬殺死体が発見された。改鋳される新小判の意匠に携わっていた助蔵に、一体何が起こったのか。もし新小判の意匠が奪われれば、幕府の貨幣制度に危機が――。金座長官の後藤庄三郎から、命をうけ、探索に乗り出した金座裏の宗五郎たちだったが、事件の背後には恐るべき奸計が渦巻いていた・・・・・・。新米の手先として奔走する政次、その政次に複雑な思いを抱く亮吉。鎌倉河岸の面々は心を一つにできるのか。傑作時代小説、新装版第三弾。

- 【新装版】暴れ彦四郎 鎌倉河岸捕物控<四の巻>
- 従姉妹の祝言に呼ばれ、亡き両親の故郷である川越に出立したしほ。彼女が乗る船まで見送りに向かった政次、亮吉、彦四郎の三人だったが、その船上には、彦四郎を目にして驚きの表情を見せる老人の姿があった。やがて彦四郎は、次々と謎の刺客たちに襲われることに・・・・・・。宗五郎ら金座裏の協力を得て、彦四郎自らが事件の探索に乗り出す!傑作時代長篇、新装版第四弾。

- 【新装版】古町殺し 鎌倉河岸捕物控<五の巻>
- 徳川家康・秀忠に付き従って江戸に移住してきた開幕以来の江戸町民、いわゆる古町町人が、幕府より招かれる「御能拝見」を前にして、立て続けに殺された。自らも古町町人である金座裏の宗五郎も謎の刺客に襲われてしまう。将軍家御目見格の彼らばかりが狙われるのは一体なぜなのか?将軍家斉も臨席する御能拝見までに、事件解決を厳命された宗五郎が、金座裏の誇りに懸けて探索に乗り出す。鎌倉河岸捕物控シリーズ新装版第五弾。(解説・細谷正充)

- 【新装版】引札屋おもん 鎌倉河岸捕物控<六の巻>
- 「山なれば富士、白酒なれば豊島屋」とまでうたわれる江戸の老舗問屋の主・清蔵。店の宣伝に使う引札を新たにあつらえるべく立ち寄った一軒の引札屋。そこで出会った女主人・おもんに心惹かれた清蔵はやがて・・・・・・。鎌倉河岸を舞台に今日もまた、愛憎や欲望が織りなすさまざまな人間模様が繰り広げられる――。金座裏の宗五郎親分のもと、政次、亮吉たち若き手先が江戸をところせましと駆け抜ける!大好評シリーズ新装版第六弾。

- 【新装版】下駄貫の死 鎌倉河岸捕物控<七の巻>
- 松坂屋の隠居・松六夫婦たちが湯治旅で上州伊香保へ出立することになった。一行の見送りに戸田川の渡しへ向かった金座裏の宗五郎と手先の政次・亮吉たちだったが、そこで暴漢たちに追われた女が刺し殺されるという事件に遭遇する・・・・・・。金座裏の十代目を政次に継がせようという動きの中、功を焦った手先の下駄貫を凶刃が襲う!悲しみに包まれた鎌倉河岸に振るわれる、宗五郎の怒りの十手――新展開を見せはじめる好評シリーズ、新装版第七弾。(解説・縄田一男)

- 【新装版】銀のなえし 鎌倉河岸捕物控<八の巻>
- “銀のなえし”――それは、ある事件の解決と政次の金座裏との養子縁組を祝って贈られた捕物用の武器。宗五郎の金流しの十手とともに江戸の新名物となる、と周囲が騒ぐのをよそに、冷静に自分の行く先を見つめる政次。そう、町にはびこる悪はあとを断つことはないのだ。亮吉・常丸、そして船頭の彦四郎らとともに、ここかしこに頻発する犯罪を今日も追い続ける政次たちの活躍を描く大好評シリーズ、新装版第八弾!(解説・井家上隆幸)

- 【新装版】道場破り 鎌倉河岸捕物控<九の巻>
- 赤坂田町の神谷道場に一人の訪問者があった。朝稽古中の金座裏の若親分・政次が応対にでると、そこには乳飲み子を背にした女武芸者の姿が・・・・・・。永塚小夜と名乗る武芸者は道場破りを申し入れてきたのだ。木刀での勝負を受けた政次は、小夜を打ち破るも、赤子を連れた彼女の行動に疑念を抱いていた。やがて、江戸に不可解な道場破りが続くようになるが――。政次、亮吉、彦四郎らが今日も鎌倉河岸を奔る、大好評シリーズ、新装版第九弾!

- 【新装版】埋みの棘 鎌倉河岸捕物控<十の巻>
- 金座裏の政次は、ある日、奉行所の内与力より呼び出しを受け、水戸藩の老中澤潟との関わりを尋ねられた。澤潟の名には覚えがなかったものの、政次と亮吉、彦四郎には、十一年前の藩士との出来事が思い出された・・・・・・。一方、造園竹木問屋・丸藤の番頭が殺され、政次らはその事件を追うことになるが――。探索が難航し、苦悩する政次。そんな折、三人は謎の刺客に襲われる。十一年前の出来事が新たな火種を生んだのか。時代の渦に巻き込まれた政次たちの命運は!? 大好評シリーズ、新装版第十弾!

- 代がわり 鎌倉河岸捕物控<十一の巻>
- 豊島屋の清蔵たちは、富岡八幡宮そばの船着場で、六、七人の子供たちが参詣に来た年寄りから、巾着を奪い取るのを目撃した。店に戻った清蔵たちは、金座裏の若親分・政次にその話をするが、どうやら浅草でも同様な事件が起きているという。さらに今度は増上寺で巾着切りの事件が起こった。だが、被害にあった金貸しの小兵衛は刺し殺され、巾着も奪われたのだ。同じ犯人なのか?宗五郎と政次たちは、探索に乗り出すが――。しほとの祝言を控えた政次は、事件を解決することができるのか?!大好評書き下ろし時代長篇シリーズ第十一弾。

- 冬の蜉蝣 鎌倉河岸捕物控<十二の巻>
- 寛政十二年の年の瀬、金座裏の若親分の政次は、久しぶりの剣術稽古に精を出していた。同門の士より、永塚小夜の姿が見えないと耳にした政次は、小夜が指導している林道場を訪れることに。そこで政次は、小夜の息子の小太郎がかどわかされそうになった事実を聞く。政次ら金座裏の聞き込みにより、秋月藩士が関わっていることが判明するも、背後に小太郎の父親の影が・・・・・・。祝言を間近に控えた政次、しほ、そして金座裏を巻き込む事件の行方は?大好評書き下ろし時代長篇。

- 独り祝言 鎌倉河岸捕物控<十三の巻>
- 春を告げる賑わいの鎌倉河岸では、政次としほの祝言が間近に迫っていた。そんななか、金座裏の宗五郎の命により、六所明神に代参することになった政次は、宗五郎の粋な計らいにより、しほ、彦四郎、亮吉三人との同行を許された。だが道中、深大寺に立ち寄った一行は思わぬ事件に巻き込まれてしまう。――旅先での事件を始末し、江戸に戻ったのも束の間、政次にさらなる難事件が待ち構えていた。迫り来る祝言の日。隠密御用に奔走する政次と覚悟を決めたしほの運命は・・・・・・。大好評書き下ろし時代小説。

- 隠居宗五郎 鎌倉河岸捕物控<十四の巻>
- 祝言の賑わいが過ぎ去ったある日、政次としほの若夫婦は、仲人である松坂屋の松六の許へ挨拶廻りに出かけた。道中、日本橋付近に差し掛かった二人は、男女三人組みの掏摸を目撃する。政次の活躍により、掏摸を取り押さえたものの、しほは、現場から立ち去る老人に不審なものを感じていた。やがて、政次の捕まえた掏摸が、江戸に横行する掏摸集団の配下であることが判明。隠居然としていた宗五郎も政次とともに、頭目の捕縛に乗り出すが――。金座裏の面々が活躍する大好評書き下ろし時代長篇、待望の第十四弾。

- 夢の夢 鎌倉河岸捕物控<十五の巻>
- 船宿綱定の船頭・彦四郎は、贔屓客を富岡八幡宮へ送り届けた帰途、上品な小紋に身を包んだ女に乗船を請われた。貸切の船に乗せるのを逡巡した彦四郎だったが、代金を受け取らない条件で送り届ける旨を承知する。だが、船に乗せた美しい女は、彦四郎が幼い頃に突如姿を晦ました秋乃だったのだ。数日後、すべてを投げ出して失踪する彦四郎。十数年ぶりに再会した二人になにがあったのか? 幼馴染みの身を案じた政次、亮吉は、彦四郎と秋乃を追い、疾走する。大好評書き下ろし時代長篇、待望の第十五弾。

- 八丁堀の火事 鎌倉河岸捕物控<十六の巻>
- 彦四郎が禅修業からもどり、いつも通りの平穏が鎌倉河岸に戻ってきたころ、宗五郎の許に、相談事が持ち込まれた。大店の古着問屋の倅が、吉原に居残りをし、下働きをしているのだという。なんとか連れ戻して欲しいと頼まれた宗五郎は、亮吉を吉原に送り込むが・・・・・・。一方、八丁堀から火の手が上がり、奔走する宗五郎と政次。出火は、なんと与力の須藤家からのものだった――奉行の進退に影響しかねない事態に、密命を受けた金座裏の面々が動き出す。大好評シリーズ第十六弾。

- 紫房の十手 鎌倉河岸捕物控<十七の巻>
- 箱根への湯治旅に出かけた宗五郎としほたちの留守中、江戸では、大坂で七人を殺害して逃亡した凶賊の手配書が廻っていた。九代目不在とあって、政次の肩に金座裏の看板が重く圧し掛かる。そんななか、鴫立沢に立ち寄った宗五郎一行。西行ゆかりの地で絵筆を取ったしほは、黒い塗笠姿の武芸者を目撃する。偶然にもしほの筆が捉えたその男は、なんと手配中の凶賊だったのだ。賊の江戸入りを危惧した宗五郎は、政次たちにある一計を託すが――。箱根と江戸を跨ぐ、大捕物の行方は? 大好評時代長篇、待望の第十七作。

- 熱海湯けむり 鎌倉河岸捕物控<十八の巻>
- 金座裏の宗五郎たちが、湯治旅で熱海峠に差し掛かった頃、江戸鎌倉河岸では、金座裏十代目政次の許へ、蝋燭問屋・三徳の隠居をめぐる騒ぎが持ち込まれていた。一昨日に出かけた隠居が店に戻らないというのだ。やがて政次、亮吉らの探索で、隠居が謎の女から強請られていたことが判明。さらには、金座裏を狙う刺客が現れ、事件は、意外な様相を見せ始める。一方、宗五郎は、熱海の湯戸屋から強盗事件の真相究明を依頼されるのだが・・・・・・。二代の金座裏が再会するとき、鎌倉河岸に新たな風が吹く。大好評書き下ろし時代長篇。

- 針いっぽん 鎌倉河岸捕物控<十九の巻>
- 宗五郎たちが湯治旅からもどり、鎌倉河岸がいつもの賑わいを取り戻した夜、政次らは、御堀端で神田橋御門から出てきた二艘の不浄船を目撃する。その翌日、政次の通う道場に加納傳兵衛と名乗る者が現れ、政次を相手に殺気を伴う立合いを見せるのだった。やがて、加納が御鈴廊下目付であることが判明し、大奥女中に奉公に出ていた古町町人の娘・お初が、城中で成敗されていたことが金座裏にしらされる。お初の無念の死を知った政次らは、禁断の探索に乗り出すが――。シリーズ十周年の記念すべき時代長篇。

- 宝引きさわぎ 鎌倉河岸捕物控<二十の巻>
- 奉公人たちの藪入りの時期、金座裏では、亮吉の考案により大店などから頂いた品々を宝引きで分ける遊びを楽しんでいた。そんななか、魚河岸の藤吉が血相を変えて金座裏にやってきた。魚河岸仲間と料理茶屋で宴会の途中、場を盛り上げようと宝引きの景品に名乗りを上げた芸者の小夏が、何者かに殺されたというのだ。小夏は、隣の間に行った僅かな時間に盆の窪をひと突きされていた。手がかりは、小夏が咥えていた手拭の切れ端。宗五郎と政次たちは、それぞれ聞き込みに走るが、思わぬ壁にぶち当たってしまい……。政次の機転によって窮地を脱することはできるのか? 書き下ろし大人気シリーズ、記念すべき第二十巻。

- 春の珍事 鎌倉河岸捕物控<二十一の巻>
- 桜の季節を迎えた江戸。金座裏では宗五郎一家の飼い猫・菊小僧が姿をくらます騒ぎが起きていた。そんな最中、今度は同心の寺坂毅一郎が、失せ人探しへの協力を要請しにやってきた。畳奉行早乙女家の次男・芳次郎が、徒目付神藤家のお彩との祝言を前に突如失踪したというのだ。かつてお彩が婿にとった先の二人は急死しており、芳次郎の身にも何かが――。二つの失踪事件を追う政次たちの前に、さらなる衝撃の事実が立ち塞がる! 大好評書き下ろし時代長篇、第二十一巻。

- よっ、十一代目 鎌倉河岸捕物控<二十二の巻>
- 江戸の暑い夏の日、金座裏では、十代目の政次の妻・しほの産月が近づいていた。そんななか、本町の薬種問屋「いわし屋」では、高値の薬種ばかりが無くなる事件が起きていた。問屋の身内の仕業なのか、巧妙に盗まれているのだという。内密に探索を依頼された政次らは、手下の弥一らを奉公人として送りこみ、内情を探ることになるが……。彦四郎の祝言、亮吉の恋路に新たな展開が待ち受ける、大ベストセラーシリーズ、待望の第二十二弾。

- うぶすな参り 鎌倉河岸捕物控<二十三の巻>
- 享和二年(一八〇二年)の残暑の朝、十一代目の元気な泣き声が、鎌倉河岸に響きわたっていた。金座裏は、「神田明神」へのうぶすな参り(お宮参り)の話題でもち切りだ。そんな折、赤ん坊に蛍をと龍閑川に蛍狩りに出掛けた亮吉たちが、浴衣を着た若い娘の死体を見つけてしまう。手には蛍が入った紙袋を?んでいた――。政次たちは早速、探索をはじめるが……。金座裏の面々は、人々の平和を守るため、強い結束で今日も江戸を奔る! 大ベストセラーシリーズ二十三弾、ますます絶好調。

- 後見の月 鎌倉河岸捕物控<二十四の巻>
- 仲秋八月一日は、吉原でも「八朔」と称して大紋日であった。またその日は、白無垢を着た花魁道中が行われるのが仕来りだ。政次は宗五郎の名代で亮吉と彦四郎を連れて祝儀を届けることになった。美貌・人柄・見識・教養と抜きんでた、吉原では伝説の遊女と言われている高尾太夫が、花魁道中の途中で政次に笑みを送った。政次はどこかで会った気がするが、どうしても思い出せない。そんななか吉原の帰りに寄った豊島屋で飲み逃げ事件が起きて……。金座裏の面々は江戸の平和を守るため、今日も奔る! 大ベストセラーシリーズ待望の二十四弾。

- 新友禅の謎 鎌倉河岸捕物控<二十五の巻>
- 定廻り同心・寺坂の町廻りに同行した政次らは、呉服店松坂屋で不審な男女ふたり組みに遭遇した。ふたりは京下りの春物の友禅を、次々とひろげさせていた。八百亀は尾行をつけさせる……。そんな折、淀藩の納戸方が行方知れずになった。金座裏の面々は事件を追うが――。政次・八百亀・弥一が、空っ風とかかあ天下で有名な上州にも出向き、大活躍する。粋で豪奢な友禅に秘められた男と女の熱い想いを描く、大ベストセラーシリーズ切望の第二十五弾。

- 閉門謹慎 鎌倉河岸捕物控<二十六の巻>
- 師走も半ば、金座裏では総出で大掃除を終えた後、差し入れの河豚料理に、皆で舌鼓をうっていた。その席で、八百亀は定廻り同心・寺坂毅一郎についての八丁堀でのうわさ話≠持ち出すが……。金座裏にとって家族同然の寺坂に降りかかる難儀、そしてついに殺人事件が起きる─政次たちが、「北町奉行所」にはびこる悪と戦う、大人気書き下ろしシリーズ、待望の第二十六弾!

- 店仕舞い 鎌倉河岸捕物控<二十七の巻>
- 豊島屋の隠居・清蔵が金座裏に姿を見せた。「倅に十代目を継がせたいので、後見方をお願いしたい」という。一方その頃、町廻りに出ていた政次らは加賀金沢藩御用達箔屋の岩鞍屋が店を閉じる旨の張り紙をしていることに不審を抱く。堅実な商いの大店に、一体何が起こったのか!?金座裏と北町奉行所定廻り同心の寺坂らが、江戸の平和のために命をかける。大ベストセラーシリーズ、鎌倉河岸捕物控、熱望の第二十七弾。

- 吉原詣で 鎌倉河岸捕物控<二十八の巻>
- 鎌倉河岸の八重桜が花を咲かせた二月、金座裏の親分・宗五郎と番頭格の八百亀、酒問屋豊島屋の隠居・清蔵、呉服屋松坂屋の隠居・松六の四人が、吉原の三浦屋へ登楼した。宗五郎の新内節『明烏夢泡雪』まで飛び出し、楽しい宵を過ごした帰り途、偶然浪人の強盗に出くわした……。金座裏と北町奉行所定廻り同心の寺坂らが、己の務めを果たすため、命を賭ける。大ベストセラーシリーズ、待望の第二十八弾。

- お断り 鎌倉河岸捕物控<二十九の巻>
- 当代の豊島屋十右衛門の祝言が、江戸と京都で挙げられることになり、金座裏でも、「京行き」の話で持ち切りだ。そんな中、山城淀藩の家来が辻斬りに遭ったらしい、という話を八百亀が聞き込んできた。だが淀藩はそれをひた隠しにしていた。一方、扇木屋で万引き騒ぎが起き、中年の侍が取り調べられたが……。若手の弥一や政次、宗五郎ら金座裏の大奮闘に、北町奉行の名裁きが冴える。平成の大ベストセラーシリーズ、待望の第二十九弾。

- 嫁入り 鎌倉河岸捕物控<三十の巻>
- 当代の豊島屋十右衛門の祝言が近づき、京からの花嫁ご一行を鎌倉河岸の皆々は首を長くして待っていた。そんな折、政次は同心の寺坂より、女剣術家の永塚小夜どのが政次に会いたがっているらしいと聞かされる。どうやら小夜にも見合い話があるという――。十右衛門の祝言は無事に行われるのか? そして小夜にも幸せが訪れるのか!? 新入りの勘三郎、若親分の政次、いぶし銀の宗五郎……など金座裏が今回も大活躍。平成の大ベストセラー、記念碑的な第三十弾。

- 島抜けの女 鎌倉河岸捕物控<三十一の巻>
- 宗五郎たちが江戸を不在にしていたある日、政次は、北町奉行小田切直年の内与力嘉門與八郎に呼び出された。夜桜お寅なる女賊が島抜けをし、「小田切奉行に恥をかかせて恨みを晴らす」と言って江戸に潜んでいるという。その同じ頃、金座裏では、愛猫の菊小僧が忽然と消えた。一方宗五郎たちは、京での当代豊島屋十右衛門の本祝言前に、のんびりとお伊勢参りを愉しんでいた──北町奉行と金座裏の絶体絶命の危機に、政次たちが昂然と立ち向かう! 大ベストセラー・ノンストップエンターテインメント時代小説、ますます絶好調。

- 流れの勘蔵 鎌倉河岸捕物控<三十二の巻>
- 江戸は秋、瀕死の怪我を負った亮吉が本復に向かい、政次たちはほっと一安心。一方宗五郎ら一行は、当代豊島屋十右衛門の京での本祝言を無事終え帰路に着いていた。そんなある日、板橋宿の御用聞き仁左親分が金座裏を訪ねてきた。板橋宿で分限者や妓楼の子どもばかり狙った拐しが三件起きたが、その一味が江戸へ潜り込んだらしい。政次たちは早速動きだすが、そこに影の探索方「八州方」も参入して……市井の平和を守るため、金座裏の決死の闘いが火ぶたを切る!平成の大ベストセラーシリーズ、ここに感涙の終幕。

- 「鎌倉河岸捕物控」読本
- 大好評時代小説「鎌倉河岸捕物控」シリーズの特別篇として、政次、亮吉、彦四郎の少年時代の冒険行を描いた短篇小説『寛政元年の水遊び』を書き下ろし掲載。著者の「鎌倉河岸捕物控」シリーズ・ロングインタビューほか、登場人物紹介、鎌倉河岸地図、年表、シリーズ全解説を余すところなく収録。「鎌倉河岸捕物控」シリーズとともに貴兄の書架へ。

- 鎌倉河岸捕物控 街歩き読本
- 江戸鎌倉河岸を舞台に描かれた大人気時代小説『鎌倉河岸捕物控』シリーズ。原作小説での豊かな水に囲まれた活気溢れる街並は、現代社会が失ったまさにユートピアである。本所は、原作に登場する舞台を辿りながら、江戸から続く名店、名所を豊富な地図で紹介。また、佐伯泰英インタビューや主要舞台を描いた『江戸名所図絵』、江戸の情緒を味わう川と橋のガイドツアーなどを網羅。原作ファン待望の一冊。

- NHK土曜時代劇 まっつぐ 鎌倉河岸捕物控 完全ガイドブック
- 2010年4月から放映中のNHK土曜時代劇『まっつぐ 鎌倉河岸捕物控』の魅力を完全網羅した公式ガイドブックがついに刊行。出演者のカラーグラビアを初めとして、橘慶太、中尾明慶、小柳友の豪華グラビア対談、松平健、竹中直人などのメインキャストインタビュー、原作者・佐伯泰英氏のロングインタビュー、撮影現場への潜入レポート、ドラマのみどころほか、『まっつぐ』の世界を余すところなく、オールカラーで紹介。ファン待望の一冊がいよいよ発売。
↑PAGE UP
▼佐伯泰英 長崎絵師通吏辰次郎シリーズ 既刊本一覧

- 【新装版】悲愁の剣 長崎絵師通吏辰次郎
- 長崎代官の季次家が抜け荷の罪を着せられ、とり潰しとなった。季次家を主家と仰ぎ、今は海外放浪の身にある南蛮絵師・通吏辰次郎は、報せを受けて帰国するが、当主・茂智、茂之父子や、茂之の妻であり辰次郎の初恋の人でもあった瑠璃は、何者かによって惨殺されていた。お家再興のため、そして季次家が陥れられた真相を探るため、茂之の遺児・茂嘉を伴って江戸へ向かう辰次郎。だが、江戸で待ち受けていたのは、迫りくる刺客と、さらなる試練だった――。佐伯泰英の初期傑作長編が、ついに新装版で刊行。(解説・細谷正充)

- 【新装版】白虎の剣 長崎絵師通吏辰次郎
- 御用絵師・通吏辰次郎は、かつての主家の遺児・茂嘉と目の不自由な、おしのを連れて江戸より故郷の長崎に戻っていた。そんなある日、長崎会所から、密交易の頭取を務めるようにと密命を受けたが、その日のうちに、黄巾党なる秘密結社から襲撃される。オランダ・唐・長崎・目付……それぞれの思惑が絡み、辰次郎は、窮地に陥るが――。愛する者を守るため、辰次郎の豪剣が冴えわたる! 著者の初期傑作長篇、『悲愁の剣』に続くシリーズ第二弾、新装版で登場。(解説・細谷正充)
↑PAGE UP
▼その他

- 【新装版】異風者
- 異風者――九州人吉では、妥協を許さぬ反骨の士をこう呼ぶ。人吉藩の下士・源二郎は、周囲に嘲笑されながらも異風≠貫き、類まれなる剣才で、藩内に地位を築いていく。折しも藩は、守旧派と改革派の間で政争が生じていた。守旧派一掃のため江戸へ向かう御側用人・実吉作佐ヱ門警護の任についた源二郎だったが、それは長い苦難の始まりでもあった……。幕末から維新を生き抜いたひとりの武士の、執念に彩られた一生を描く長篇時代小説、待望の新装版。(解説・末國善己)
↑PAGE UP
