日本橋本町の薬種問屋柏屋の奥で、裕福な商人相手に先見(占い)をして暮らす藍治郎は、容姿に優れながらも、奉公人である仙助以外そばに置かず、人とかかわろうとしない。そんな彼のもとに、なにやら厄介な客がやってきた。久右衛門と名乗る男は、藍治郎の力を訝しんでいるらしく、繰り返すのは持って回った質問ばかり。そんな久右衛門が家族関係で懊悩していることを見抜いた藍治郎は――。他人が考えていることや感じていることを見ることができる才を持つ藍治郎が、壊れそうな人々の心を救う。優しき連作時代短篇。
日本橋本町の薬種問屋柏屋の奥で、裕福な商人相手に先見(占い)をして暮らす藍治郎は、容姿に優れながらも、奉公人である仙助以外そばに置かず、人とかかわろうとしない。そんな彼のもとに、なにやら厄介な客がやってきた。久右衛門と名乗る男は、藍治郎の力を訝しんでいるらしく、繰り返すのは持って回った質問ばかり。そんな久右衛門が家族関係で懊悩していることを見抜いた藍治郎は――。他人が考えていることや感じていることを見ることができる才を持つ藍治郎が、壊れそうな人々の心を救う。優しき連作時代短篇。